睡眠時無呼吸症でのスルチアムの安全性と忍容性を探る無作為化比較臨床試験

【PAP以外のOAS治療1:薬物治療】

 

Jan Hedner1,2, Kaj Stenlöf1, Ding Zou1, Erik Hoff1, Corinna Hansen3, Katrin Kuhn3, Peter Lennartz3, and Ludger Grote1,2

1Center for Sleep and Vigilance Disorders, Department of Internal Medicine and Clinical Nutrition, Institute of Medicine, Sahlgrenska Academy, University of Gothenburg, Gothenburg, Sweden;
2Center for Sleep Medicine, Pulmonary Medicine, Sahlgrenska University Hospital, Gothenburg, Sweden; and
3Desitin Arzneimittel GmbH, Hamburg, Germany ORCID ID: 0000-0002-0332-8971 (E.H.).

 

抄録

論理的根拠:閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)に対する現在の治療法は,有効性,コンプライアンス,忍容性が不十分なため,限られている.OSAの効果的な薬物療法が望まれる.炭酸脱水酵素阻害は,OSAを改善することが示されている.
目的:OSAでの炭酸脱水酵素阻害,剤スルチアム(STM)の安全性と忍容性を検討する.

方法:陽圧治療に耐えられない中等度および/または重度OSA患者に,4週間の二重盲検無作為化プラセボ対照用量設定試験が実施された.

測定方法と主な結果:STM400mg(n=34),STM200mg(n=12)およびプラセボ(n=22)の投与を受けた患者の79%,67%および18%に,それぞれ間欠性知覚異常が報告された.STM400mg投与後に,呼吸困難が報告された(18%).高用量群では,患者6人が有害事象のため投与中止となった.重篤な有害事象はなかった.STM400mg群では,無呼吸低呼吸指数が55.2→33.0イベント/時(-41.0%),200mg群では61.1→40.6イベント/時(-32.1%)に減少した(両群ともP<0.001).対応するプラセボ群では53.9イベント/時→50.9イベント/時(-5.4%)であった.無呼吸低呼吸指数の低下閾値>50%は,400mg投与で40%,200mg投与で25%,プラセボ投与で5%に達成された.平均夜間酸素飽和度は400mgと200mgで1.1%改善した(それぞれP<0.001とP=0.034).患者関連転帰に,変化はなかった.

結論:STMは,中等度および/または重度OSAに,満足のいく安全特性を示した.STMはOSAを平均20イベント/時以上低下させ,OSAの薬物試験で報告された最も強力な低下の1つである.OSAでのSTMの大規模臨床研究は妥当である.
臨床試験はwww.clinicaltrialsregister.eu に登録された(2017-004767-13).
キーワード:閉塞性睡眠時無呼吸;薬物療法;炭酸脱水阻害;薬理学;RCT

Am J Respir Crit Care Med Vol 205, Iss 12, pp 1461-1469

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