タイトレーション検査は合併症のない閉塞性睡眠時無呼吸症での持続的気道陽圧療法の必要性を過大評価する

Olabimpe S. Fashanu, MD, MPH1; Rohit Budhiraja, MD1; Salma Batool-Anwar, MD, MPH1; Stuart F. Quan,

MD1,2

1Division of Sleep and Circadian Disorders, Brigham and Women’s Hospital, Harvard Medical School, Boston,
Massachusetts;
2Asthma and Airways Research Center, University of Arizona College of Medicine, Tucson, Arizona

 

研究目的:閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)治療に最適な気道陽圧を決定する標準的方法として,立会による手動持続的気

道陽圧(CPAP)タイトレーション法がある.しかしながら,無人での一晩の自動気道陽圧(APAP)タイトレーションも選

択肢の一つである.この研究目的は,手動タイトレーションで決定された治療CPAP 圧が,APAP で生成された代替

圧よりも高いかどうかを確認することである.

 

方法:APAPによる治療を開始する前に,終夜と分割夜の手動CPAP タイトレーションを行った合併症のないOSA成

人165 人の後ろ向き精査が実施された.属性データと30 日間のAPAP コンプライアンスデータを含む臨床データが入

手された.手動タイトレーションによるCPAP 推奨圧と,30 日間のAPAP 使用量から作成された90/95%タイル圧が

比較された.

 

結果:手動タイトレーションの推奨CPAP 圧はAPAP から生成された90%と95%タイルより高かった(11.4±3.4 対

10.3±2.4cmH2O;P=0.000).群のほぼ半数(41.9%)では,手動で得られたタイトレーション圧が90%と95%タイル圧

より1.5cm超高かった.多変量分析では,肥満指数は手動タイトレーション圧の上昇を予測する唯一の変数であった.

注目すべきは,30 日間のAPAP データでの平均残存無呼吸低呼吸指数が,手動タイトレーションの推奨圧で観察され

た平均残存無呼吸低呼吸指数よりも低かった(5.0±4.3 対 7.2±8.5;P=0.006).

 

結論:手動CPAP タイトレーションは,特に肥満度の高い患者に必要圧を過大評価する可能性があり,合併症のない

OSA患者の管理には必要ないかもしれない.APAP は,より低い気道陽圧を実現しながら,少なくとも単圧CPAPと

同程度の効果があると思われる.

キーワード:自動タイトレーション気道陽圧,CPAP タイトレーション,90%タイル圧,95%タイル圧

引用:Fashanu OS, Budhiraja R, Batool-Anwar S, Quan SF. Titration studies overestimate continuous positive

airway pressure requirements in uncomplicated obstructive sleep apnea. J Clin Sleep Med. 2021;17(9):1859-1863.

 

 

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